中古車の写真の撮り方|販売店向け基本26カットと撮影ルール

中古車写真の撮り方と基本26カット

中古車の写真は「清掃して正直に写す」「光とアングルを整える」「決まったカットを決まった順で撮る」の3点で品質がそろいます。この記事では販売店向けに、基本26カットの撮影リストと、担当者が変わっても同じ品質で撮るための店のルールをまとめます。

※2026年10月時点の情報です。

目次

なぜ中古車の写真が問い合わせを左右するのか

お客様は来店前に掲載写真で車を比べるため、写真は「最初の接客」にあたります。写真の量と正直さが、問い合わせの入りやすさと来店後の商談の進めやすさに影響します。

お客様は写真から、車の状態だけでなく、お店の信頼性や仕事の丁寧さも読み取ります。

  • 問い合わせのきっかけになる:状態がよくわかる写真は、「もっと詳しく知りたい」という行動につながります。
  • 商談が進めやすくなる:写真で状態を理解したうえで来店するため、確認事項が少なくて済みます。
  • 信頼につながる:キズや凹みを隠さず写すと誠実さが伝わり、納車後のクレームの予防にもなります。

撮影前に済ませる準備(7項目)

撮影前の準備は、車を撮影場所へ動かす前にすべて終えます。清掃、私物の撤去、窓とミラーの状態、個人情報の4点を先に確認しておくと、撮り直しを防げます。

  1. 洗車と室内清掃:ボディのツヤ、タイヤの黒さ、ダッシュボードのホコリで印象が変わります。
  2. 私物とゴミの撤去:ドアポケット、シート下、荷室の中まで空にします。
  3. 窓を閉める:開いたままだと外装のラインが途切れて見えます。
  4. ドアミラーを開く:たたんだままだと駐車中の車に見えます。
  5. タイヤとホイールの泥を落とす:足回りのカットで汚れが目立ちます。
  6. 個人情報を確認する:車検証や整備記録簿の中身、前所有者の郵便物などが写らないようにします。
  7. スマホのレンズを拭く:指紋の脂は写真全体のにじみの原因になります。

窓を閉める、ミラーをたたまない、タイヤの汚れを落とすといった細部で仕上がりが変わる点は、日本自動車工業会のJAMA BLOG(2024年公開・2025年更新)でも悪い例とともに解説されています。

売れる中古車写真の3つの鉄則

売れる写真の基本は「清掃して状態を正直に写す」「光とアングルを整える」「必要なカットを漏れなく撮る」の3つです。高価な機材よりも、この3点を毎回守ることが大切です。

1. 清潔感と状態の「正直さ」

  • 撮影前に清掃を終える:洗車と内装清掃を済ませてから撮ります。前章の7項目を撮影のたびに確認します。
  • キズや凹みは正直に:小さなキズや凹みも、あえて寄って撮影して掲載します。「隠し事をしない店」という印象につながります。

2. 光とアングルを整える

光は「どの向きから当たるか」で写り方が変わります。外装の基本は、横や斜めから光が当たる位置に車を置くことです。

光の向き写り方掲載写真での使い方
順光(カメラ側から当たる)色はきれいに出るが、凹凸が平らに見えるボディカラーを正確に伝えたいカット
斜光(横・斜めから当たる)プレスラインが出て立体的に見える斜め45度など外装の基本カット
逆光(車の後ろから当たる)輪郭は出るが、全体が暗くなる掲載写真では避ける
光の向きごとの写り方はJAMA BLOGの解説をもとに、掲載写真での使い方を整理
  • 強い日差しを避ける:太陽が真上に来る正午前後は、ボディが白く飛び、影も濃くなります。直射日光が弱い時間帯や曇りの日は反射が少なく、色が実車に近く写ります。
  • 斜め45度(7:3)を基本にする:車の正面から斜め45度の位置で撮ると、フロントとサイドが同時に写り、立体感が出ます。正面3、側面7の比率になるため「7:3(シチサン)」とも呼ばれます。
  • ハンドルを切るかは店で統一する:斜め前のカットでハンドルを少し切ると、ホイールの面がカメラを向き、足回りがきれいに見えます。一方、JAMA BLOGの講師は好みとしたうえで、基本はタイヤを曲げないとしています。どちらにするかを店で決め、全車同じにします。
  • カメラの高さを決める:形を正確に伝えたいときはヘッドライト付近の高さ、迫力を出したいときは低い位置から撮ります。立ったまま見下ろすと車が小さく見えます。

カメラの高さで車の印象が大きく変わる点は、日本自動車工業会のJAMA BLOG(2024年公開・2025年更新)でも解説されています。

3. 量と質で顧客の不安をなくす

お客様は、写真だけで車の状態をできるだけ把握したいと考えています。内外装の全体から細部まで、網羅して撮ります。

外装の撮影ポイント内装の撮影ポイント
正面、後方、左右のサイド運転席、助手席、後部座席
斜め45度(左右から)メーター周り、ナビ・オーディオ、シフトレバー
真上から(可能な場合)トランク、エンジンルーム
ホイール、タイヤドアの内側、シートの状態
キズ、凹みなど特筆すべき点細かい収納スペースなど

これを撮る順番まで落とし込んだものが、次の「基本26カット」です。

基本26カットの撮影リスト(撮る順番つき)

外装8・足回り4・内装10・エンジンルーム1・付属品3の計26カットを基本にし、キズは別に撮り足します。撮る順番を固定すると、撮り漏れと撮り直しが減ります。

車の周りを時計回りに一周し、次に車内、最後に付属品の順で撮ると動線に無駄が出ません。

No.区分カット撮り方のポイント
1外装斜め前(運転席側)一覧の1枚目に使う。7:3、ハンドルの扱いは店のルールどおりに
2外装正面ナンバーは掲載前に隠す
3外装斜め前(助手席側)1と左右対称の位置から
4外装助手席側の側面車体全体が水平に収まる距離で
5外装斜め後ろ(助手席側)テールランプの形が見える角度で
6外装背面リアのエンブレムが傾かないように
7外装斜め後ろ(運転席側)5と左右対称の位置から
8外装運転席側の側面4と同じ距離・高さで
9〜12足回りタイヤ4本溝の深さとホイールの傷がわかる角度で
13内装運転席(ドアを開けて外から)シートのへたりと汚れがわかるように
14内装インパネ全体後席中央からフロントガラスごと
15内装メーターエンジンをかけ、走行距離と警告灯の状態を写す
16内装ナビ・オーディオ電源を入れ、画面が映った状態で
17内装シフト・センターコンソールスイッチ類の文字が読める距離で
18内装助手席13と同じ角度で
19内装後部座席足元の広さが伝わるように
20内装天井シミや垂れがあれば正直に
21内装荷室後席を倒した状態があれば追加
22内装荷室下・床下収納工具や付属品の有無がわかるように
23エンジンルームエンジンルーム全体オイル漏れやにじみの有無がわかるように
24付属品取扱説明書・保証書表紙を並べて1枚に
25付属品点検整備記録簿個人情報が写らないよう表紙のみ
26付属品スマートキー・スペアキー本数がわかるように並べて

カット表を印刷して撮影時に持ち、撮り終えたカットに印を付けると、撮り漏れを防げます。

掲載枚数に上限がある場合の優先順位

掲載できる枚数の上限は掲載先によって異なります。上限が少ない場合は、次の順で優先します。

  1. No.1(斜め前):一覧ページで小さく表示されるため、車体を画面いっぱいに大きく写す
  2. No.2〜8の外装
  3. No.15のメーターと、No.14のインパネ
  4. キズ・凹みの写真

撮影した車両の在庫情報と、問い合わせ後の顧客・商談管理をまとめたい方は、CarGateの資料(無料)で全体像をご確認ください。

キズ・凹みの撮り方と表示のルール

キズは「車のどこにあるかわかる引きの1枚」と「大きさがわかる寄りの1枚」をセットで撮ります。写真の内容と、修復歴や走行距離などの表示内容が食い違わないことも確認します。

  1. 引きで位置を示す:キズのあるパネル全体を写し、車のどこにあるかを伝えます。
  2. 寄りで大きさを示す:指先やメジャーを横に添えると、大きさが伝わります。
  3. 光を斜めから当てる:正面からの光では浅いキズや凹みが写りません。光が斜めに当たる位置に回り込みます。

中古車の広告表示には、業界の自主ルールである「自動車公正競争規約」があります。走行距離や修復歴などの表示方法が定められています(出典:一般社団法人 自動車公正取引協議会)。

写真でキズを見せていても、文字の表示と食い違えばトラブルの原因になります。表示の細かな基準は、同協議会の資料で確認してください。

【実践】スマホで撮るときの設定とコツ

掲載写真はスマートフォンでも十分に撮れます。離れて望遠側で撮り、HDRとグリッド線を使い、デジタルズームと超広角を避けるだけで仕上がりが大きく変わります。

  • 離れて望遠側で撮る:近づいて広角で撮ると車がゆがみます。機種に望遠レンズ(2倍・3倍など)がある場合は、その倍率で少し離れて撮ります。
  • デジタルズームは使わない:レンズのない倍率まで指で拡大すると画質が落ちます。寄りたいときは自分が車に近づきます。
  • 超広角(0.5倍など)は外装に使わない:車の形がゆがんで写り、実車と印象が変わります。
  • 外装は横位置で撮る:7:3の構図は横長の画面に収まりやすく、掲載先の一覧でも車が大きく見えます。
  • HDR機能を使う:明るい部分と暗い部分の差を補正し、白飛びや黒つぶれを防ぎます。
  • グリッド線で水平をとる:カメラ設定でグリッドを表示し、地面と車体を水平にそろえます。
  • 映り込みを確認する:ボディやガラスに撮影者や周りの車が映っていないか、撮影直後に拡大して確認します。
  • 背景をシンプルにする:電柱、ゴミ箱、他の車が写り込まない場所を選びます。
  • レンズを拭く:指紋の脂でにじんだ写真になるのを防ぎます。

近づいて広角で撮るとゆがみが出て、離れて望遠で撮ると本来の形が写る点は、JAMA BLOGでも作例つきで紹介されています。

撮影後の編集は、明るさと傾きの補正までにとどめます。色味を大きく変えると、来店時に「写真と違う」と感じさせる原因になります。

撮影品質を店でそろえる5つの手順

撮影場所・時間帯・カット順を店のルールとして決めると、担当者が変わっても写真の品質がそろいます。ルールはカット表と一緒に1枚の手順書にまとめます。

  1. 撮影場所を固定する:背景が単色で、映り込みの少ない場所を1か所決めます。
  2. 撮影する時間帯を決める:正午前後の強い日差しを避けた時間帯を、店の撮影時間にします。
  3. カット表を持って撮る:前章の26カットを印刷し、撮るたびに印を付けます。
  4. 撮影直後にその場で確認する:ピント、映り込み、枚数をその場で確認し、移動前に撮り直します。
  5. 掲載前に別の人が確認する:写真と表示内容の食い違い、ナンバーや個人情報の写り込みを確認します。

店の撮影ルールのひな形

手順書には、次の6項目を店の言葉で書き込みます。決めた内容は撮影担当の全員で共有します。

項目決めること書き方の例
撮影場所背景と地面の条件単色の壁の前、白線や看板が入らない位置
時間帯撮影してよい時間正午前後を除く時間帯。曇りの日は終日可
車の向き光に対する置き方斜光になる向きに停め、全車同じ向きで撮る
ハンドル切るか切らないか斜め前のカットのみ少し切る(または切らない)
カット順使うカット表基本26カット+キズの引き・寄り
確認者掲載前に見る人撮影者以外の1名が表示内容と突き合わせる

撮影を外部に任せる方法もあります。品質はそろいやすい一方で、入庫から掲載までの日数と費用が増えます。台数と掲載までの速さを比べて判断します。

写真だけでは解決しないこと・注意点

写真の質を上げても、価格や車の状態が相場と合っていなければ問い合わせは増えにくいままです。写真は車の魅力を正しく伝える手段であり、加工で実車以上に見せるものではありません。

  • 手間が増える:カット数を増やすと、撮影と掲載の作業時間も増えます。手順を固定して時間を短くします。
  • 加工しすぎは逆効果:実車との差が大きいと、来店後の信頼を失います。
  • 撮影条件に左右される:屋外のみで撮影する店は、雨の日や日照の短い季節に掲載が遅れがちです。
  • ルールがないと品質がばらつく:光の向きやハンドルの扱いは撮る人の好みで分かれます。店で決めない限り、担当者ごとに写真が変わります。

撮影後の在庫・顧客管理をCarGateでまとめる

写真を撮って掲載した後は、在庫情報と問い合わせ後の顧客対応を漏れなく管理することが成約への近道です。CarGateは在庫・顧客・販売の管理をまとめるオールインワン経営管理ツールです。

写真撮影は、仕入れから納車までの業務の一部にすぎません。在庫、顧客、販売の情報が別々の表や紙に分かれていると、問い合わせ後の対応漏れが起きやすくなります。

CarGateは、これらを一つにまとめるオールインワン経営管理ツールであり、在庫共有型のBtoBプラットフォームでもあります。機能の詳細は資料とオンラインデモ(30分)でご確認いただけます。

まとめ:決まったカットを決まった順で撮る

売れる中古車写真の要点は、撮影前の準備、光とアングル、基本26カットの3つです。撮影場所・時間帯・カット順を店のルールにすれば、誰が撮っても同じ品質で掲載できます。

写真で興味を持ったお客様を来店につなげる方法は、中古車販売のネット集客の進め方で解説しています。

集客全体の考え方は中古車販売店の集客方法、店頭施策は中古車販売の販売促進もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 中古車の掲載写真は何枚撮ればよいですか?

A. 本記事では、外装8・足回り4・内装10・エンジンルーム1・付属品3の基本26カットに、キズの写真を加える構成をおすすめしています。掲載先の上限枚数に合わせて、外装とメーターを優先してください。

Q. スマートフォンと一眼カメラ、どちらで撮るべきですか?

A. 掲載写真はスマートフォンでも十分に撮れます。離れて望遠側で撮り、デジタルズームと超広角を避け、HDRとグリッド線を使うのが前提です。

Q. 撮影に向いている時間帯や天気はありますか?

A. 正午前後の強い日差しは避けます。曇りの日は光がやわらかく、ボディの色が実車に近く写ります。雨上がりは水滴を拭き取ってから撮ります。

Q. キズや凹みは写真に載せないほうがよいですか?

A. 載せることをおすすめします。位置がわかる引きの1枚と、大きさがわかる寄りの1枚をセットにします。写真と表示内容が食い違わないことも確認してください。

Q. 撮った写真を加工してもよいですか?

A. 明るさと傾きの補正までにとどめます。色味を大きく変えたり、キズを消したりする加工は、実車との差になりトラブルの原因になります。

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