中古車販売業は、開業を検討されている方や、すでに経営されている方にとって、利益率という数字は常に気になるポイントでしょう。しかし、「中古車は儲かる」という漠然としたイメージだけで事業を始めるのは危険です。
本記事では、中古車販売の利益率の平均値から、利益を生み出す具体的な仕組み、そしてCarGateが考える経営成功のポイントまで、徹底的に解説していきます。
1. 中古車販売の利益率の平均は?
中古車販売の利益率は、一概に「〇%です」と断言できるものではなく、さまざまな要因で大きく変動します。ここでは一般的な目安と、利益率に影響を与える要素について解説します。
1-1. 一般的な利益率の目安
中古車販売における売上総利益率(粗利率)は、一般的に**10%から20%**が相場とされています。ただし、これはあくまで車両本体の売買から得られる利益の目安であり、オークションを介した場合や、高額な輸入車を扱う場合では、利益率が20%から50%に達することもあります。
例えば、仕入れ価格120万円の中古車を150万円で販売した場合、粗利は30万円となり、粗利率は20%となります。
粗利率=販売価格販売価格−仕入れ価格×100
しかし、これはあくまで粗利であり、この中からさらに人件費、広告費、店舗維持費などの経費を差し引いたものが最終的な純利益となります。
1-2. 大手と中小企業の利益率の違い
大手中古車販売店と中小企業では、利益を出す戦略が根本的に異なります。
- 大手販売店:**「薄利多売」**のビジネスモデルです。大量仕入れと効率的な在庫管理で1台あたりの利益は抑えつつ、販売台数を増やすことで全体の利益を確保します。
- 中小販売店:**「高単価・低回転」**の戦略が中心です。特定の車種やニッチな顧客層に特化し、きめ細かなサービスや付加価値をつけることで、1台あたりの利益率を高めています。
1-3. 利益率が変動する要因
利益率は、以下の要因によって大きく変動します。
- 車種・グレード:人気車種や希少なモデルは仕入れ価格が高くなる傾向にありますが、その分、高く売れる可能性も高まります。
- 仕入れルート:後述するオークション、自社買取、委託販売など、仕入れルートによってコストやリスクが異なり、利益率に直接影響します。
- 車両の状態:修復歴の有無、内外装の傷、走行距離などが販売価格を左右します。状態の良い車は高く売れますが、仕入れ価格も高くなる傾向にあります。
2. 中古車販売店はなぜ儲かる?利益を生み出す5つの要素
中古車販売の利益は、車両本体の売買だけから生まれるものではありません。複数の収益の柱を持つことで、安定した経営が可能になります。
2-1. 車両本体の販売利益
最も基本的な収益源です。いかに安く仕入れて、適正な価格で売るかが重要になります。市場の相場を常に把握し、車両の価値を正確に見極める力が求められます。
2-2. 自動車ローン・保険の手数料
多くの販売店は、提携する信販会社や保険会社からの紹介手数料を得ています。自動車ローンの契約件数や、自動車保険の新規・継続契約を増やすことで、車両本体の利益に加えて安定的な収益が生まれます。
2-3. アフターサービス・整備による収益
車検、点検、オイル交換、修理、コーティングなど、販売後のアフターサービスも重要な収益源です。一度購入していただいたお客様に繰り返し来店してもらうことで、**LTV(顧客生涯価値)**を高め、長期的な関係構築にもつながります。
2-4. 下取り・買取による差益
お客様から直接買い取った車は、オークション経由で仕入れるよりも中間マージンがかからないため、高い利益率を確保できる可能性があります。
2-5. 関連商品・サービスの販売
ETCやナビの取り付け、ドライブレコーダー、カーオーディオなどのオプション販売も利益に貢献します。お客様のニーズに合わせた提案を行うことで、単価アップが期待できます。
3. 利益率を左右する「仕入れ」の重要性
「中古車ビジネスは仕入れが9割」と言われるほど、仕入れ戦略は経営の成否を分けるカギとなります。
3-1. オークション仕入れのメリット・デメリット
- メリット:全国の多種多様な車両から選べるため、希望の車種を見つけやすい。相場を理解していれば、安く仕入れられる可能性もあります。
- デメリット:実車を直接確認できないため、状態を見極めるスキルが必要。想定外のキズや故障が見つかるリスクもゼロではありません。
3-2. 自社買取のメリット・デメリット
- メリット:オークション手数料などのコストがかからないため、高い利益率を確保しやすい。
- デメリット:買取価格の設定が難しい。集客力がないと十分な買取台数を確保できない。
3-3. 委託販売という選択肢
在庫リスクを抑えたい場合に有効なのが委託販売です。お客様から車を預かり、販売が成立した際に手数料をいただくモデルです。在庫を抱える必要がないため、特に小規模な店舗や開業したばかりの方におすすめです。
4. 中古車販売で利益を最大化する経営戦略
4-1. 在庫回転率の向上
在庫は「資産」であると同時に「コスト」です。在庫が長期間滞留すると、価値が下がるだけでなく、保管コストもかさみます。人気車種や需要の高いモデルを積極的に仕入れ、迅速に販売することで、在庫回転率を高め、資金繰りをスムーズにしましょう。
4-2. 効率的なコスト管理
車両の仕入れ価格だけでなく、広告費、人件費、店舗維持費など、あらゆるコストを最適化することが重要です。特に近年では、車両の相場がお客様にも見えやすくなっているため、車両本体以外にかかる費用をいかに抑えるかが純利益を確保する上で重要となります。
4-3. 顧客満足度を高める付加価値サービス
単に車を売るだけでなく、お客様に「このお店で買ってよかった」と感じてもらうことが、リピーターや口コミの獲得につながります。CarGateでは、納車後の徹底したアフターフォローや、お客様一人ひとりに合わせた提案を大切にしています。
4-4. デジタルマーケティングの活用
中古車選びは、まずインターネットから始まります。自社のホームページやSNSを活用し、車両情報を写真や動画で魅力的に発信するだけでなく、スタッフの顔が見えるブログや、整備風景を公開することで、顧客との信頼関係を築くことができます。
5. まとめ:CarGateが考える中古車販売の未来
中古車業界の競争は激化していますが、ただ単に安さを追求するだけでは、生き残っていくことはできません。
CarGateは、利益を追求するだけでなく、**「お客様との長期的な関係構築」**こそが、これからの時代に成功するために不可欠だと考えています。
お客様のカーライフに寄り添い、販売後も安心して任せてもらえる存在になること。それが、単なる「車屋」から、お客様の「パートナー」へと進化する第一歩です。
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